フリーランスITエンジニアの概要とメリット・デメリット【現役フリーランスが説明】
会社に縛られない生き方に興味はお有りでしょうか。
この記事では、まさに会社から独立して仕事を行うフリーランス、特にフリーランスITエンジニアについて説明します。
この記事を書いている土谷は現役のフリーランスITエンジニアです。半年ほどフリーランスとして活動しています。この記事を書いている時点でフルタイムの案件に参画していて、月単価は78万円。長期ブランク持ちの40代中盤という良くない経歴を持つ中でもそれなりの待遇を勝ち取れた経験を持っています。
会社をやめて個人の力で食べていきたいITエンジニア、収入を早く上げたい若手ITエンジニア、最近増えているフリーランスの実態を知りたい人に向けてこの記事は書いています。
また、ブランクがあるけどフリーランスになりたいという人にも役に立つでしょう。ブランクから復帰してフリーランスITエンジニアになった人間が書いた記事は少ないはずです。
- フリーランスとは組織に属さず個人で仕事を請け負う働き方のこと
- ITエンジニアの場合は準委任契約中心、請負中心、個人開発中心の3タイプがある
- 会社員とくらべてメリットは収入と自由度、デメリットは安定性や事務手続きの手間
- 経歴に問題がある人でも十分フリーランスでやっていける
- 背負うものが少なければフリーランスITエンジニアは良い選択である
フリーランスとは
フリーランスという言葉は最近聞く機会が多くなっていると思います。国会でもフリーランス支援の法案が審議されており、国としても何らかの対応が必要であるという認識ができつつあるようです。
ただ、フリーランスが何を指し示すのか明確な定義はありません。実際、フリーランスに関する調査はいくつかあるのですが、日本のフリーランス人口1つとっても400万人台から1600万人近くまで、かなり幅があります。
そのようなわけで厳密な定義は決まっていないのですが、この記事では次のように定義することにしました。
・特定の組織に所属せず、個人の力で契約を結び収入を得る働き方
今後はこの前提で話を進めていきます。
会社員でも公務員でもない働き方がフリーランスだと思って大体間違いはなさそうです。
フリーランスITエンジニアの概要
個人の力で収入を得るのがフリーランスであると定義しました。
では、フリーランスのITエンジニアとはどういう存在でしょうか。
ITエンジニアといっても職域はかなり広く、プログラマ、システムエンジニア、プロジェクトマネージャなど様々です。
ただ、職域ではなく契約の種類ということであると大まかに2つに分けられます。準委任契約中心か請負契約中心かです。更にもう1つ、そもそも他者と報酬の契約を結ばないタイプもあるのでそちらも説明しましょう。
準委任契約中心のフリーランスITエンジニア
準委任契約にも2種類あるのですが、フリーランスITエンジニアが結ぶ可能性が高いのは「履行割合型」の準委任契約です。
成果物に対して責任をもつのではなく、仕事をしたことをもって報酬が支払われるという契約になります。
時給いくらとか、月当たり140時間から180時間の労働に対していくらみたいな感じです。
今SESの会社で働いている人がいるのであれば、自社と出向先で結ばれているのはおそらくこの契約でしょう。
私もこちらのタイプのフリーランスをしていますが、正直SESの会社にいたときとやっていることは変わりません。
かなりの割合の人がフリーランスエージェントを利用して契約を取っています。
ちなみにこのサイトでのおすすめエージェントは、テックビズです。サイト名から明らかですね。
請負契約中心のフリーランスITエンジニア
請負契約は労働そのものではなく、成果物に対して報酬が支払われる契約になります。
どんなに頑張って長時間労働を行っても、契約に結ばれた成果物が完成しなくては報酬はもらえません。
その代わり、労働時間については契約に含まれないので、簡単な開発案件を高値で請け負えれば時間あたりの報酬は準委任契約を上回ることもありえます。
厳密には違うようですが、副業でクラウドソーシングを使ったことがあればイメージしやすいでしょうか。ちゃんと納品して相手にOKを貰わないと報酬が発生しない感じです。
個人開発中心のフリーランスITエンジニア
他者と報酬に関する契約は行わないというフリーランスITエンジニアもいます。
例えば、スマホアプリやWebアプリを個人開発して、それを販売しているような人です。
請負契約は成果物が完成すれば報酬がもらえます。しかし、個人で何かを開発する場合は自分で販売まで行わないとお金になりません。
他者との契約がないので他人との折衝や締切などとは無縁です。ただ、お金になるかならないかは営業能力も含めた自分自身の力にかかってきます。
私がメンターとして登録しているMENTAというサービスは、もともとは個人開発していたものをランサーズが買収しました。その際の購入金額は約2億円とのこと。個人開発フリーランスの大成功の1例でしょう。
このサイトで利用しているSWELL
この働き方がある意味一番フリーランスらしいフリーランスかもしれません。
フリーランスITエンジニアは契約の種類で3つくらいに分類できます。どれか1つではなく複数にまたがる人もいるでしょう。
会社員と比較してのフリーランスITエンジニアのメリットとデメリット
フリーランスITエンジニアの概要に書いたとおり、フリーランスITエンジニアには大まかにわけで3種類のタイプがあります。
それぞれにおいてメリットやデメリットに差はあるのですが、どのタイプでもだいたい共通するメリットとデメリットは次のとおりです。
基本的に会社員との比較してのメリット・デメリットになります。
メリット
収入が上がる
大抵の場合、会社員のときと比べると収入は上がります。会社員だと社会保障費の半分を会社が持ってくれているので、収入増加分すべてが手取りとして増えるわけではないのですが、それでも増えることのほうが多いでしょう。
私の場合、商流が下流(退社時の案件は5次受けでした)のSES企業からテックビズ経由で準委任契約のフリーランスになった結果、額面での月の収入は2倍以上になりました。
請負契約だったり個人開発が中心のエンジニアだと振れ幅が大きいので、単純に収入が増えるとは断言しにくいです。それでも一般的には会社が取っていたマージンが減り、仕事も選べるようになるので増える可能性は高まります。
働き方や案件選択の自由度が上がる
フリーランスは会社員と比べると働き方や案件の選び方の自由度が大幅に上がります。
3タイプの中でも最も自由度が低い準委任契約中心の働き方でも、
- 働く場所(在宅なのか現場常駐なのか)
- 使う技術
- 担当する職種
- 月単価
などを自分で選ぶことができます。
請負や個人開発であれば、更に自由度は上がり好きなときに好きな場所で仕事をすることも可能です。
会社員だとどうしても会社の都合に合わせる必要があります。社内での発言力が高ければある程度要求は通るでしょうけど、フリーランスとして自分ですべてを選ぶのに比べるとどうしても限界があります。
税金対策の幅が広がる
フリーランスとなると当たり前ですが会社員ではなく個人事業主となります。小さいながらも自分で事業を行っているということになるので、税金対策の幅がかなり広がります。
- 青色申告を行える
- 仕事にかかった費用を経費にできる(PC、書籍、在宅ワークをしていれば光熱費など)
- iDeCoの最大拠出額が23000円から68000円になる
- 小規模企業共済が使える
ざっと上げるだけでもこのくらい。他にも細かい税金対策は色々あり、会社員よりも有利に税金を減らせます。
私の場合は、ちょっと性能がいいPCや勉強用の書籍、ブログ運用の費用、電気ガス水道通信費などを経費にできました。iDeCoも積立額を月23000円から67000円にして、ついでに小規模企業共済も満額で年840000円つみたてたので、課税所得を全部で200万円くらい削減しています。
諸々合わせると、会社員時代の給料とフリーランスになってからの売上合わせて700万円位に対して、課税所得は260万円くらいまで抑えられました。
なお、この辺の計算は全部税理士に丸投げしています。本来なら税理士への報酬で月1万円弱かかるんですが、私の場合テックビズのサービスで無料です。
テックビズの税理士無料サービスについては以下の記事にまとめてあります。
デメリット
収入が不安定
会社員であれば案件にアサインされていない時期であっても会社から給料がもらえます。
しかし、フリーランスのITエンジニアだと
- そもそも案件が見つからず契約自体ができない
- スキルのミスマッチなどで契約を打ち切られた
- 案件が中止になった
- 請負契約を期限内に完了できなかった
- 自作のアプリが売れなかった
など様々な理由で収入が途絶えることがありえます。
さらに、契約完了から売上が納金されるまでの期間が長いこともあり得るでしょう。
毎月決まった日に給料が振り込まれる会社員と比べると、収入の不安定さは明らかです。
ただ、準委任契約タイプのフリーランスであれば、フリーランスエージェントを使うことである程度は緩和可能ではあります。
請負や個人開発中心のフリーランスは、この不安定さを回避する手段はほとんどありません。
保証が手薄い
会社員に比べると、フリーランスは雇用保険や労災保険、健康保険などの社会保障が一般的に手薄です。
特に大きいのがフリーランスITエンジニアが入ることになる国民健康保険には傷病手当金がないことと、国民年金は厚生年金に比べると障害者手当が低いことの2点でしょうか。
それ以外にも、会社員なら会社の福利厚生で色々保証があるケースもあるでしょうけど、フリーランスだとそれらが一切ありません。
どうしても保証が欲しいなら、自分で保険に加入する必要があります。仕事の上で相手になにか損害を与えてしまった場合の保証であればフリーナンスというサービスが無料で対応していますが、病気や怪我に関しては自分で民間の保険に入るしかありません。
依頼元の企業が倒産や破綻した場合には、支払いが滞る可能性もあります。もっとも、これを言い出すと会社員でも倒産の可能性があるのでフリーランスだけのリスクではありませんが。
税金や社会保障の手続きが増える
年末調整の紙を少し書けば大丈夫な会社員と違い、フリーランスは自分で確定申告を行わなくてはなりません。税理士に依頼すると費用がかかりますし、自分でやるのもそれなりの手間です。
(メリットのときにも書きましたが、テックビズで契約すると税理士は無料で利用可能です)
また、社会保障に関しても会社員なら事務員にお願いするだけで大丈夫な手続きを自分でやる必要があります。
税金なら税理士やFreee、マネーフォワード クラウド
フィリーランスになるメリットは収入と自由度、デメリットは安定性と事務手続きの手間とまとめられそう。
年齢やブランクが及ぼす影響
私ならではの目線として、フリーランスITエンジニアにとって年齢やブランクがどのような影響を与えるかも説明してみます。
私の年齢はこの記事を書いた時点(2023年3月)で46歳、病気による15年のブランクがあります。
そこそこ年齢が高く、長期ブランクがある人間ではありますが、今のところ準委任契約のフリーランスとしても請負契約のフリーランスとしても直接的な不利益を被ることはありません。
準委任契約で案件に参画する場合、最初に面談がほぼ必ずあるのですが、皆さんあんまり年齢やブランクのことは気にしていないようでした。明らかに私の弱点なので大体自己紹介などの面談の初期段階でブランクについての説明はするのですが、「ふーん、そうなんですね」くらいの反応しかされた記憶がありません。
おそらく会社員、特に正社員として採用する場合と比べれば簡単に切ることができるので、スキル面での実績があればまずは使ってみるという選択が取りやすいからではないかと思います。
請負契約だと更に年齢もブランクも関係なくなります。私が取ったことがある請負契約はココナラ
スキルさえ持っていれば、年齢やブランクなどがあって経歴に自信がなくても十分フリーランスITエンジニアとして活動できると私は判断しています。
私の場合、年齢やブランクなどの経歴はそこまで大きな問題になりませんでした。
まとめ:フリーランスITエンジニアは条件付きだが良い選択肢
フリーランスITエンジニアについて説明をしてきました。
フリーランスITエンジニアの働き方には
- 準委任契約中心
- 請負契約中心
- 個人開発中心
の3タイプがあります。準委任契約中心のほうがリスクが少なく、請負、個人開発と順にリスクが上がるけど収入の天井も高くなっていきます。
フリーランスITエンジニアのメリットは
- 収入が上がる
- 働き方や案件選択の自由度が上がる
- 税金対策の幅が広がる
これら3つで、一方のデメリットは
- 収入が不安定
- 保証が手薄い
- 税金や社会保障の手続きが増える
の3つでした。
私としては、ある程度条件を満たせばフリーランスITエンジニアは相当に有力な選択肢だと考えます。
その条件とは、「身軽であること」です。
フリーランスITエンジニアのリスクは要するに不安定なことです。この不安定さをヘッジするためには
- ある程度金融資産があり一時的な無収入に耐えられる
- 養うべき家族が少なく、失敗から持ち直すことが容易
- フリーランスとしてやっていけなくても考えを切り替えてまた会社員に戻れる
などとにかく動きの自由度が高く失敗が致命傷にならないことが必要だと思っています。
今すぐフリーランスにならないにしても、貯金が生活費の半年分できたとか、副業でも収入が確保できたなど逃げ道ができた場合は一度働き方として考えてもらいたいなと思います。
準委任契約中心のフリーランスを考えるのであれば、まずはフリーランスエンジニアに相談するのがおすすめです。
このサイトはTECHBIZ nutというタイトルでもありますので、フリーランスエージェントの中でもおすすめはテックビズになります。なぜおすすめなのかは以下の記事にまとめてありますのでぜひ御覧ください。
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